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財団職員インタビュー_Vol.3_太田幸輔

  • 松川雅美
  • 松川雅美

財団職員の「いま」に迫る、職員インタビュー。

今回は保小連携コーディネーターを務める、太田幸輔さんにお話を伺いました。

 

  • はじめに、今取り組んでいることを教えてください。

 全国で唯一となる、保小連携コーディネーターとして3年目を迎えました。

津和野町には7つの保育園と4つの小学校がありますが、どの地域でも保育園から小学校への「引き継ぎ」が課題でもあります。実際に保育現場や学校現場に入って子どもたちと一緒に遊んだり、体育授業を行ったりもしますが、子どもたちが保育園で学んだことを小学校へしっかり引き継いでいけるよう、組織間の「連携」に取り組んでいます。連携がうまくいくことで、子どもたちの多様性に配慮した、主体的で深い学びができる教育環境が実現できると考えています。

▲保育園児と小学校1・2年生による合同体育授業

 

  • 最近の動きを教えてください。

 文部科学省の「幼保小の架け橋プログラムに関する調査研究事業」(以下、架け橋)*に採択されたことが最も大きなイベントだと思います。

 津和野町の場合、保育園と小学校をいかに接続していくかというミッションのなかで動いていて、保育園と小学校の交流活動だけでなく、保育園で育ててきたものを小学校以降も生かしていこうという思いのもとで行っているものです。

 

  • 町全体での保小連携推進のなかで、具体的にどのような関わりをされてきましたか?

 

就任して1年目は「現場理解」、2年目は「トライ&エラーを繰り返す」、3年目は「保小連携の動きを文化として根付かせる」ことを大きな目標として掲げて活動してきました。

 

具体的な動きとして1つ目は、保育園と小学校との先生同士が会う時間や場をつくること。もともとお互いに 会って話したい という思いはあったので、放課後の時間、保育園の先生に小学校へ来てもらい、「SENSEI TEA TIME」を実施しました。

 

2つ目は、既存の保小連絡会(小学1年生が卒園した保育園の先生による授業参観および情報交換の場)が、各園の子どもたちについて話す場となっているものに対しての改革です。在園時の様子については在園中に話すべきであるし、もっと園全体・学校全体としての連絡会にしたいという思いからアクションを起こしました。結果、全ての小学校区ではないですが、年1回だった連絡会の回数を3回に増やしてもらえたり、毎月の授業交流という具体的アクションにまで繋げてもらえたりと、少しずつ形を整えることができました。

 

3つ目は、「お客様扱い」の交流をなくしていくことです。活動ありきの交流ではなく、保育園と小学校それぞれでしっかりとしたねらいがあるものにする必要があるのではないかと訴えてきました。そのため、保育園と小学校のそれぞれの想いの共有や、どんな子どもに育ってほしいかを話し合う場を設けてきました。

 

津和野町では「架け橋プロジェクト事業」に採択される前からこのような保小連携活動を行ってきました。採択されたことで予算がつき、活動の幅が広がっただけでなく、OECDや大学などとの連携によって第三者からの評価が得られるようになったことで、今後大きく発展させていけそうだという手ごたえを感じています。

 

③今後やっていきたいこと・展望など

幼保小の架け橋プログラムに関する調査研究事業を中心に、保小を繋ぐカリキュラム開発を進めていきたいと思っています。今は1つのモデル地区を定めての展開ですが、2年後までには、町全体での取り組みとなっていくよう中長期的な絵も描きつつ取り組んでいきます。

 

また、教育委員会の特別職として今年度より「0歳児からのひとづくり特命官」に任命されました。財団法人としてのビジョンや方向性も交えつつ、町が進める0歳児からのひとづくり事業を行政と一体的に進めていきたいです。

 

*幼保小の架け橋プログラムに関する調査研究事業…

https://www.kknews.co.jp/news/20220618yt01

この記事を書いた人
松川雅美
教育魅力化コーディネーター (大学生インターン)
松川雅美
大阪で生まれ育ち、大学進学を機に島根に移住し4年目になります。大学では地域政策を専攻し、現在は地域全体で寛容性を高める手法について研究しています。津和野町では、昨年度は町営塾HAN-KOHのスタッフとして主に中高生の学びのサポートをしていました。現在はコーディネーターのインターンとして活動しています。大学での座学と津和野町というフィールドでの活動を両立できる環境に感謝しながら、少しでも皆さんのお役に立てるよう頑張ります。