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財団職員インタビュー_Vol.9_石川姫歌

  • 松川雅美
  • 松川雅美

財団職員の「いま」に迫る職員インタビュー。

今回は小中教育魅力化コーディネーターである、石川姫歌さんにお話を伺いました。

 

  • はじめに、今取り組んでいることを教えてください。

私の役割は、同じく小中教育魅力化コーディネーターである佐々木さん(ももさんの記事リンク)と同じく、

小学校と中学校・中学校と高校、小学校と高校が連携した学び(たての連携)、

地域とつながる学校・学びの機会づくり(よこの連携)と、

中学生(個人・チーム)のプロジェクトの伴走です。

 主にこれらの3つの役割を持って、日原エリアの小中学校(日原小学校・青原小学校・日原中学校)に関わっています。

よこの連携では、総合的な学習の時間について担任の先生と役割分担しながら設計したり、町営塾HAN-KOHの日原教室にて週に1回「にちはらベース」という企画を運営したりしています。

▲学校の先生と授業の打ち合わせをする様子

  • 学校関係以外の方との調整で気を付けていることはありますか?

たとえば地域住民の方の思いを聞いたら、それをそのまま学校の先生に直接的に伝えるのではなく、より伝わりやすいように翻訳することを心がけています。

あとは、誰かの「やりたい」を聞いたとき、常に「どうやったらできるか」を考えて動くようにしています。

  • 最近の動きについて教えてください。

今年度は、全体的に新しくチャレンジしたことが多い1年でした。

ある小学校では、小学5年生が総合的な学習の時間に「林業」に特化した授業を受けて、間伐材でパズルを作ったり、啓発活動をしたりと3つのPJチームに分かれました。「林業」について学んだことをだれか(保育園生や地域の方)に伝えるという目的があることで、こどもたちそれぞれがより「自分ごと」としてプロジェクトに取り組むことができました。

別の小学校の5、6年生は、総合的な学習の時間に「やさしいまちづくり」をテーマとして取り組みました。具体的には「暮らしやすいまちとは?」という問いについて、町内在住の外国籍の方にお話を聞いたり、役場の方から津和野町の医療の現状についてのお話を聞いたりしました。子どもたちの中にも「自分たちが今通っている小学校がなくなるかも」という危機感があり、最終的に自分たちの地域のPR動画をつくることになりました。同時期に、津和野高校の総合的な探究の時間で動画づくりをしている高校生がいたので、その高校生と一緒に動画を作ることになり、現在も取り組んでいます。日原地区には高校がなく、高校生を身近に感じることがないので、よい交流の機会になっています。

中学校では、遠く離れた出雲の中学生とオンラインで交流活動をしました。今まで大人との交流が多かった中学生でしたが、同じ中学生同士の交流は珍しいので緊張している様子でしたが、最後の方は自分から積極的にコミュニケーションをとれるようになり、「またやりたい」という声が出たので、やって良かったと思います。

 

  • 普段の活動の中でのやりがいや、やっていてよかったと思う瞬間はありますか?

大人子ども問わず、「楽しかった」と言ってもらえるときが一番嬉しいですね。自分がコーディネーターとして関わった場に予想外の反響があったり、化学反応によって新しいことがうまれたりするのが面白いです。

先生方との関わりの中では、「とりあえず石川さんに相談してみよう」と言ってもらえるようになってきました。そのような関係を築けていることも、嬉しく思っています。

  • 今後やっていきたいことや目指しているものはありますか?

授業については、地域の資源を活かすことができるようになってきたと感じているので、これらの授業を単発のものにせず、体系化していくことを目指したいです。

ただ、1つ懸念しているのが高齢化の問題です。今授業で講話をお願いしている人が10年後も元気で、お願いできるとは限りません。例えば実際に戦争を体験された方から当時のお話を聞くという授業があるのですが、10年後にその方が元気で、同じように授業をしていただけるとは限りません。そこで子どもたちの学びの機会がなくなることがないように、資源の保存や学びのあり方を日々問い直し続ける必要性を感じています。

この記事を書いた人
松川雅美
教育魅力化コーディネーター (大学生インターン)
松川雅美
大阪で生まれ育ち、大学進学を機に島根に移住し4年目になります。大学では地域政策を専攻し、現在は地域全体で寛容性を高める手法について研究しています。津和野町では、昨年度は町営塾HAN-KOHのスタッフとして主に中高生の学びのサポートをしていました。現在はコーディネーターのインターンとして活動しています。大学での座学と津和野町というフィールドでの活動を両立できる環境に感謝しながら、少しでも皆さんのお役に立てるよう頑張ります。