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日原中学生が地域の大人との対話を通してこれからを考える「sun(サン)トーク」を実施しました

  • 藤岡篤司
  • 藤岡篤司

2月20日(木)に、日原中学校1年生の総合的な学習の時間の授業で、地域の大人と中学生が対話する「SUN(サン)トーク」を実施しました。

 

SUNトークは「1人の大人と1人の中学生」が1対1でじっくりと話す対話型の学習で、日原中学校では初めての開催となりました。

 

 

SUNトークでは、以下の3点を目的として行いました。

 

① 地域の大人の経験や思いを知り、地域への愛着を育むこと

② 地域の大人と直接対話することで、これからの自身の生き方を考えるきっかけをつくること

③ 自分の考えや気持ちを伝え、共感を得ることで自己理解を深めること

 

地域の大人と1対1で対話するSUNトークを初開催!

 

 

 

大人の方にはこれまでの人生で起きた出来事やその時の感情の変化、今の気持ちなどを書いた「人生グラフ」を事前に作成していただきました。人生グラフからは、進学や就職、人生の転機など、それぞれのストーリーが垣間見え、中学生にとって身近なロールモデルとなっていました。

 

中学生は、自分の興味関心や将来の夢、大人の方に聞きたいこと等をまとめた「自己紹介シート」を事前に作成し、対話に臨みました。

 

SUNトークでは、

 

1.大人からの人生グラフを活用した自己開示

2.生徒からの自己紹介シートを活用した自己開示

3.振り返る・広げる・つながる

 

を通して、生徒たちは普段なかなか話す機会のない大人と真剣に向き合っていました。

 

 

「働くこと」「職業選択の理由」「学生時代の将来像」「これからのこと」など大人のリアルな話を聞くことで、社会への理解を深め、自身の将来を具体的にイメージすることができたようです。

 

 

 

ふるさとへの愛着が深まり、地域への意識が大きく変化

 

SUNトーク実施後の生徒の振り返りでは、「津和野町は魅力的なまちだと思うか」「魅力的な大人が多いと思うか」といった項目の数値が大幅にアップしていました。

 

 

 

 

地域の大人の生の声を聞くことで、生徒たちは自分が暮らすまちの魅力と、そこに生きる人々の魅力を再発見し、ふるさとへの愛着を育むことができ、また大人にとっても、自身の過去を振り返る貴重な機会となりました。

 

中学1年生ということもあり、自己肯定感や未来の自分のイメージについて、具体的な変化が起きていたとまではいえませんが、振り返りの結果からネガティブなイメージが0%になったことがわかりました。

 

SUNトークを通して、生徒たちが自身のことを肯定的に捉え、将来に対して前向きな気持ちを持つようになったと言えるのではないでしょうか。

 

 

SUNトーク後には、感謝の気持ちを込めてメッセージの交換を行いました。

 

 

 

生徒からは

 

「自分のことを考え、自分を知ることができた」

「大人の話を聞いて、より日原が好きになった」

 

等のコメントがあり、

 

大人からは

 

「今後も互いに教え合う関係性でいたい」

「子どもだけでなく先生や地域の大人にとっても学びや気づきのある場だった」

 

といったコメントがありました。

 

 

対話を通して自分の思いを伝え、共感を得ることで、新しい価値観に触れる素晴らしい機会となりました。

 

今回のSUNトークの成果と課題を活かし、先生方とともにより効果的な学習プログラムへと発展させていきたいと思います。

 

そして中学生と大人、それぞれの「こんな自分でありたい!」の実現をこれからも応援していきます。

 

この記事を書いた人
藤岡篤司
教育魅力化コーディネーター
藤岡篤司
大阪出身、大学院(開発学)を修了。フィリピンをはじめ、開発途上地域で教育・福祉などの社会課題解決に携わってきました。日本に帰国してからは、大学の講師、小中高の国際理解教育などの教育分野や、地域づくりや人々の暮らしという地域開発の分野など、学びや暮らしの質を向上させるために「ひとづくり」「まちづくり」に関する取り組みを続けています。子どもから大人、高齢の方まで、性別や国籍、障害など関係なく、誰もが活躍できる社会を目指し、またそれを届けたいと思っています。