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津和野高校卒業生による「津和野つながりリデザインプロジェクト」が実施されました

  • みらい共創センターHAN-KOH
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2026年1月31日(土)から2月3日(火)にかけて、津和野高校の卒業生と地域・学校との新たな関係性を構築するための試み「津和野つながりリデザインプロジェクト」が開催されました。

 

このプロジェクトでは、津和野高校特任コーディネーターの山本さんが中心となり、津和野高校卒業生を含む、現役大学生4名と共に、連続ワークショップと町への提言を行いました。

※津和野つながりリデザインプロジェクト実行委員会が主催し、NPO法人bootopiaが事務局を務め、つわの学びみらいも協力させていただきました。

 

 

津和野町で高校生活を過ごして、全国各地へ進学・就職などをしていった卒業生たち。そうした卒業生たちと地域や高校が関係を新たに紡ぎ直したら、どんなことが起きるのか?

 

また卒業生にとって、津和野町が「思い出深い場所」以上の存在になる可能性はあるのか?についてみんなで考えました。

 

 

 

なぜ「つながり」は途切れてしまうのか? 10人のライフヒストリーから見えた3つの壁

 

このプロジェクトの背景には、山本コーディネーターが進めてきた「卒業生のライフヒストリー」に関する調査研究があります。2016年度から2024年度の卒業生10名を対象とした調査の結果、多くの卒業生が「町と関わり続けたい」という意向を持ちながらも、実際には以下の「3つの障壁」によってその繋がりが途切れている実態が浮き彫りになりました。

 

1.情報の障壁:能動的に動かなければ、現在の町の情報が入ってこない。

 

2.関係の障壁:教職員の異動等により、母校を訪ねても「知っている人」が不在になりやすい。

 

3.機会の障壁:具体的にどのような形で町に関われるのか、選択肢が見えにくい。

 

「関わりたくても、その入口が見つからない」。そんな卒業生たちのリアルな想いに向き合い、持続可能な関係を「リデザイン(再設計)」することがこのプロジェクトの目的です。

 

 

 

過去・現在・未来を繋ぐ

 

4日間のワークショップでは、津和野高校の卒業生ら4名が運営主体となり、多角的な視点から「卒業生と地域のあり方」を模索しました。

 

まずはじめに、今の自分を振り返りながら、まち歩きを通して思い出の場所や印象深い場所をマップに入れていくワークを行いました。

 

 

ワークを担当した卒業生の川瀬ありささんは、

 

「思い出を振り返りながら、何気ない会話を交わすことができた。当時や現在の自分を振り返りながらまちを歩いたことで、まちへの愛着が再形成され

たのではないか」

 

と語ります。

 

 

思い出の場所をチェキや写真で可視化しました。

 

 

 

その後は、「なぜ大学生が津和野と関わることが大切なのか?」をテーマに、卒業生の佐々木太一さんの進行で哲学対話が行われました。

 

 

哲学対話では、

 

「大学生は高校生にとって『少し先の未来』を見せられるロールモデルになれる」

 

「大学生が町の外で得た専門性を還元できるのではないか」

 

といった、卒業生という立場だからこそ生み出せる価値について、深い話し合いが行われていました。

 

 

藩校養老館での「卒業生の津和野とのつながり」をテーマに実施した哲学対話の様子

 

 

2月2日(月)に実施されたクローズドセッションでは、昨年12月に開催された津和野会議をきっかけに高校生が考えたアイデアについて、地域の大人や卒業生も混ざりながら、具体的な方向性やアクションについて対話をしていきました。

 

高校生の提案に、卒業生の経験や大人の知見が入ることで、より実現可能なものになっていきました。

 

 

 

この対話のパートは、高校2年生の1年間、地域みらい留学生として津和野高校で学んでいた四ノ宮有理沙さんが企画と司会を担当しました。

 

 

四ノ宮さんは、

 

「より具体的に、次の一歩まで考えることができた。提案が実現に向かえば、津和野町がさらに良くなると思う」

 

と振り返っていました。

 

 

 

卒業生たちから町へ「3つの提言」

 

最終日に行われた報告会では、津和野町長、津和野高校学校長、弊財団代表理事等の町内から集まった関係者に対して、3名の実行委員が自らの体験に基づく具体的な提言をプレゼンテーションしました。

 

最終報告会での提言プレゼンテーションの様子

 

 

 

卒業生たちからの提言内容は下記です。

 

 

1. 卒業生と高校生がラフに交流できる拠点を~川瀬ありささん

 

川瀬さんは、卒業生が今の津和野町を知り、再び愛着を持ち、高校生と接点を持つための「卒業生と高校生がラフに交流できる拠点(施設)の必要性」を提言しました。

 

今の高校生の活動が卒業後の自分たちの刺激になり、逆に卒業生の姿が高校生の希望になる、という循環の重要性を訴えました。

 

そうした拠点(施設)を作ることで、卒業して間もない時期、そしてそれは学生として動きやすい時期でもあるので、津和野町への愛着を再形成する機会を創りやすいのではないかとのことでした。

 

 

 

2. いろいろな立場の方が参加し、ニーズを繋ぐ「対話の場」の設置~佐々木太一さん

 

佐々木太一さんは、卒業生、地域住民、高校生、そして行政といった「津和野に関わる様々な立場の人が参加可能な対話の場」を設けることを提言しました 。

 

卒業生側には「何か還元したいが、具体的な目的や関わりしろが見つからない」というジレンマがある一方、高校生側には「大学生との関わりが活動のモチベーションや将来像のモデルになる」というニーズがあると分かったことを踏まえ、これらを結びつける「マッチングの機会」として対話の場を機能させたいと提言しました。

 

 

 

3. 専門性を還元し、地域課題を可視化する「研究サポート体制」の構築~四ノ宮有理沙さん

 

四ノ宮有理沙さんは、卒業生が大学での専門知識を活かし、津和野町を研究フィールドとすることで関わり続けることができる「研究サポート体制」の構築を提言しました 。

 

卒業生の中にある「専門知識を地域に還元したい」「研究対象として津和野町をもっと学びたい」という意欲を形にするため、地域の専門家によるフィールド案内や、住民とのマッチング、研究成果の報告会の実施といった体制整備を提案しています 。

 

この仕組みにより、卒業生は慣れ親しんだ場所で自身の専門性を深めることができ、町側は多様な視点から地域課題を可視化できるという、双方向のメリットを生む持続的な関係性を提案しました。

 

 

 

津和野に「帰って来たい」「関わりたい」を叶えるために

 

4日間のワークショップは、今回のプロジェクトのゴールではありません。今後、卒業生たちが提示してくれた提言は、いろいろな立場の方に届けていきます。

 

卒業したら、ただの「元・津和野高校生」で終わってしまうのではなく、津和野町というフィールドを活かして自らを成長させ、時には地域に貢献し、いつでも「ただいま」と帰ってきてほしい、関わり続けてほしいと願っています。

 

津和野町がそのような場所であり続けるために、「津和野つながりリデザインプロジェクト」は、卒業生と地域が共に創っていく、新しいつながりの形を、これからも描き続けていきます。

 

大学生や参加者みんなで集合写真
この記事を書いた人
みらい共創センターHAN-KOH
みらい共創センターHAN-KOH
津和野高校魅力化プロジェクトの一環として2014年に設立された町営英語塾HAN-KOHは、2025年より「みらい共創センターHAN-KOH」としてさらなる進化の時を迎えています。学習や留学、やりたいことのサポート等これまでの取り組みに加えて、多様な人と関わり、対話し、考え、行動することで新しい価値を生み出し、共に未来を創っていく”みらい共創”の拠点となることを目指します。