- 2025/03/12
津和野高校2年生の探究活動”ツコウセッション” 活動発表会を実施しました
- 牛木 力



2025年2月4日(火)に、津和野高校の体育館にて、高校2年生の「総合的な探究の時間」の活動発表会、『ツコウセッション活動発表会』を開催しました。
〇ツコウセッションのこれまでの活動についてはこちら
当日は、雪が降り足元が悪い中にも関わらず、公民館や地域の教育関係の方、また探究活動で高校生一人ひとりに寄り添ってくださった方など、地域の方約30名にご来場いただきました。
これだけたくさんの方々が、生徒の探究活動発表会に集まってくださったのは、今回が初めてです。本当にありがとうございました。
また1年生の生徒も観覧し、来年の探究活動に向けてのイメージを膨らませたり、積極的に質疑の時間にも参加したりする様子がみられました。



今回の発表では新しい試みとして、ポスターセッション(ブースごとに発表内容となるポスターを掲示し、各ブース同時並行で発表していくスタイル)に挑戦しました。
生徒は15分の発表の中で、活動を通して気づいたことや自身に起こった変化等、それぞれが伝えたい項目を選び、同級生や1年生、地域の方等発表を見に来てくれた方に自身の学びを伝えました。
例えば演劇について探究した生徒は、活動の中でその分野の有識者の方にお話を伺ったり、実際に演劇活動を実践してみたりするという経験をしていました。隣の益田市まで一人で観劇に行くなど積極的に行動していたその生徒は、1年生に「興味がないと思っても、まずはなんでもやってみることが大切だ」と自身の体験から得た感想を伝えていました。
ツコウが大事にしている「思いっきりうろうろすること」をまさに体現していたように思います。



また、津和野町へ移住してきた方を中心に、町内に住んでいる大人へのインタビューを重ねてきた生徒は、困った時には学校内外の大人たちが助けてくれる津和野町の環境を振り返り、最後に「大人は案外優しい」と語っていました。
シンプルな言葉ですが、ここには心の底からその生徒が感じた思いが詰まっていると感じました。
自身が活動を通して経験したことを1年生にも伝え、「どんどん頼っていいんだよ」と、メッセージを送っていました。
生徒たちの発表を聞いて、今後の提案をしてくださった大人の方もいました。
町内の病院に勤務されている方からは、多様な職業の大人にインタビューをする活動について発表した生徒に対して、医療現場で働く人へのインタビューもしてほしいと申し出がありました。
また、効果的な動画制作に関する探究を行い、視聴回数を増やすための方法を考察した生徒の発表を聞いた公民館関係の方からは、今後、動画編集のレクチャーを公民館でしてほしいとの提案がありました。
今回の活動発表会を通して、また新たな一歩が始まっていくのを感じました。



島根県立大学の先生からは、「楽しみながら続けてほしい」とアドバイスも
今回の発表会では、年間を通して2年生の探究活動を見守り、ご助言くださった島根県立大学の播本先生、西嶋先生にも講評者としてご参加いただきました。
先生方からは、「ジブンゴトにできる探究に出会い、楽しみながら続けてほしい」とアドバイスをいただきました。



今年度のツコウセッションでは、生徒たちは多くの方の愛情、優しい眼差し、辛抱強い支援、そして生徒によっては自身を取り巻く自然環境からのインスピレーションを受けながら活動することができました。
その豊かな時間や場の中から生まれてきた課題や、「やってみたい」という思い、そして新たな気づきを得ることができました。
「探究」という言葉は、一人でじっくり考えるイメージが強いかもしれませんが、関係性の中から生まれる学びを大切にしているツコウの探究では、地域の方の理解やサポートがこれからも欠かせません。
地域のみなさま、今後ともどうぞ温かいご支援をよろしくお願いいたします。