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町営英語塾HAN-KOHの特別講座『生き方対話』を実施しました!

  • 町営英語塾 HAN-KOH
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7月11日(木)に、町営英語塾HAN-KOHの特別講座『生き方対話』を実施しました。

 

この『生き方対話』は、自分の生き方や在り方について考えるきっかけとなる場です。対話を通して物事の本質について考えたり、捉えたりする力を育むことを目的に、2021年から開催しています。

 

この講座では、身の周りにある素朴な疑問について対話を重ねながら「その場にいる人にとって最も納得できる考え方」を探していく、一般的には哲学対話と呼ばれる手法をとっています。

 

*「哲学」という言葉を最初に日本語に訳した(訳語を創った)のは津和野町出身の思想家・西周(にしあまね)で、他にも「科学」「芸術」「概念」といった訳語も西周が創ったと言われています。津和野町は日本の哲学発祥の地とも言えるかもしれません。

 

 

 

自分の考えを押し付けない、人の意見を受け入れる、傾聴する、といった対話手法を通して「傾聴力」「協働性」「自他を尊重する力」などが身につくことも期待しています。

 

HAN-KOHではこれまで10回以上開催し、様々なテーマで対話を行ってきました。

 

約1年半ぶりの開催となった今回は、津和野高校生(1年生から3年生まで)9名に加え、地域の方にもご参加いただきました。

 

 

今回は「普通」というテーマで対話をスタート

 

哲学対話には、絶対的な正解は存在しません。

そのため、どんな意見も大切にします。

 

講座では、

・否定しない

・話を遮らない

・自分の意見を押し付けない

の3つをグランドルールとして定め、参加者が安心して意見を言い合える環境をつくって実施しました。

 

まず最初に、「普通」という言葉から浮かぶ疑問をみんなで出していきました。

 

まずは思い浮かんだことを付箋に書いていく

 

 

 

そして、浮かんだ疑問をみんなで共有しました。

この疑問のタネを出すところから生き方対話は始まります。

 

生徒からは

「普通だと可もなく不可もなく、印象に残らない」

「普通すぎるとつまらない」

といった、どちらかというとネガティブな印象の言葉が多くありました。

 

一方で

「疲れない」

「安心する」

といったポジティブな言葉もありました。

 

全体的には疑問というより、「普通」という言葉から連想したことが並んでいる印象でした。

 

思い浮かんだ言葉を共有する時間

 

 

そしてここから、少しずつ対話が始まっていきました。

「全体的には普通って言葉に対してネガティブな印象があるのかな」

「でも、普通って悪いことなの?」

「良い普通と悪い普通ってあるのかな?」

「『普通に美味しい』って言うことがあるけど、あれは結局良いの?良くないの?」

 

また、マンガのキャラクターを引き合いに出しながら、

「努力を積み重ねるのはその人にとって普通かもしれないけど、一般的にそれは普通?」

「どういう生き方だと普通って言えるの?」

といった疑問も出てきました。

 

対話の中で疑問がどんどん広がっていきます

 

 

 

対話を重ねるうちに、あっという間に1時間がたち、講座は終了しました。

 

どんなに議論が白熱していても、決められた時間になると対話を打ち切るのも、この講座の特徴です。

 

必ずしも『生き方対話』の講座の中で答えを出す必要はないので、対話の中で生まれた答えのない数々の問いを参加者が持ち帰り、納得できる考え方を日々の暮らしの中で探していってもらえたらと思います。

 

講座後には

「人の意見を聞くことで、自分にはない発想に触れられることが面白かった」

「みんなで悶々と考えるこの時間が幸せに感じた」

「自分でも哲学対話を企画してみたい!」

 

等の感想がありました。

 

 

物事を深く考える機会を持つことは、自分自身はもちろんですが、自分以外の人のことも知ることができる貴重な時間です。

 

そして、多世代の人が対話する今回の特別講座は、子どもとおとながともに考え、互いに学び合う機会にもなっています。今後も、地域のおとなの方が一緒に参加できる形を模索しながら、定期的に講座を実施していきたいと思います。

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町営英語塾HAN-KOHは「津和野高校魅力化プロジェクト」の一環として、2014年に設立されました。津和野町で学び成長する生徒たちが多様かつ生きた情報に触れ、新たな知識や経験を得ることを目的としています。 私たちは、誰がどんな将来を選択しても、自信を持って歩めるように、常に一人ひとりの思いに向き合っています。