ニュース

news

中学生と地域の大人が語り合う授業「ツワトーク」を開催しました

  • 藤岡篤司
  • 藤岡篤司

10月22日(水)に、津和野中学校の2年生と3年生を対象に、地域の方々と対話する授業「ツワトーク」を実施しました。

 

ツワトークでは、生徒が地域の方と話し、多様な生き方や考え方に触れることで、自己理解を深めたり、進路について考えたりすることを目的としています。また地域の力を借りながら、生徒の成長の機会を多様な大人が連携し、共に作り上げていくことも目指しています。

 

そして津和野町が推進する「0歳児からのひとづくりプログラム」の柱である、郷土への「愛着・誇り」や「貢献意欲」を育む教育活動の一環でもあります。

 

ツワトークは、午前中に2年生、午後に3年生が行い、午前・午後合わせて29名の地域の大人の方にご協力いただきました。

 

 

 

 

「人生グラフ」を通して自分と向き合い、これからを考える

 

ツワトークでは、生徒と大人が1対1で向き合い、互いに作成した「人生グラフ」を使って対話を行いました。 人生グラフは、「これまで(過去)」「いま(現在)」「これから(未来)」の3つのセクションで構成されています。

 

【これまで】経験した出来事だけでなく、その時の「喜怒哀楽」といった感情も共有し、深い自己開示を行います。

 

【いま】 現在の自分を客観的に見つめ直します。

 

【これから】 大人の経験談をヒントに、自分自身の目標や将来像を思い描きます。

 

事前授業で人生グラフを作成しました。

 

 

 

対話の時間

 

まずは緊張をほぐすアイスブレイクを行い、会場が和やかな空気に包まれたところで1対1の対話が始まりました。

 

アイスブレイクで会場は和やかな雰囲気に。

 

 

大人たちが語るさまざまな人生の歩みに、生徒たちは身を乗り出し、真剣な眼差しで聞き入っていました。生徒たちも、これまでの経験や今の中学校生活への思いを自分の言葉で一生懸命に伝えていました。

 

世代を超えて互いの生き方に触れる中で、「これから」の未来について共に深く考え、語り合う時間となりました。

 

 

生徒と大人の1対1の対話では、真剣に、時には笑い合いながら深く語り合うことができました。

 

 

 

アンケート結果:対話が生んだ意識の変化

 

ツワトークの前後で行ったアンケートでは、生徒たちの意識に顕著な変化が見られました。

 

【まちへの愛着】 

「津和野町は魅力的なまちだと思う」と答えた2年生が約83%、3年生が約79%に達しました。地域で生きている大人との対話によって、「ひと」を通して「まち」のことを感じられ、間接的に地域のことを知り、「愛着」が育まれることとなった。

 

 

 

【地域の大人への再認識 】

「魅力的な大人が多いと思う」という回答は、2年生で42%から84%へと倍増し、3年生でも66%から96%と増加しました。身近にいる大人の多様な生き方に触れたことが、大きな刺激となったようです。

 

一方で、「全く思わない」という回答も微増していました。多様な生き方をしている大人と出会うことは、ワクワク感と共に不安感もあり、中学生にとっては戸惑いもあったのではないかと想像されます。

 

 

 

【今の自分と向き合う】

「今の自分と向き合うことができますか」という問いでは、授業の前後では、肯定派の割合は、2年生は47%から73%へ、3年生は58%から83%へと増加し自己理解への意識が高まったことが伺えます。

 

 

 

【将来への意欲】

進路やキャリアを「考えることができる」と答えた生徒は、2・3年生ともに7、8割を超え、未来を前向きに捉える姿勢が見て取れます。

普段の生活の中ではあまり接点のない大人と、ありのままの自分について語り合うことで、生徒たちは「自分を伝える力」を養い、将来の選択肢を広げるきっかけを得ることができました。

 

 

 

 

「ひとづくり」と「まちづくり」を繋ぐ一歩に

 

ツワトークは、生徒にとって自己理解を深める貴重な「ひとづくり」の機会であると同時に、地域住民が教育に参画し、世代を超えた交流を生む「まちづくり」の場でもあります。

 

生徒たちが自分の考えを言葉にし、多様な大人の価値観に触れることで育った「心の土台」は、今後、彼らが社会で活躍するための大きな力となるはずです。

 

これからも学校と地域が手を取り合い、子どもたちの未来を応援するプログラムを現場の先生方と連携しながら充実させていきます。

 

この記事を書いた人
藤岡篤司
教育魅力化コーディネーター
藤岡篤司
大阪出身、大学院(開発学)を修了。フィリピンをはじめ、開発途上地域で教育・福祉などの社会課題解決に携わってきました。日本に帰国してからは、大学の講師、小中高の国際理解教育などの教育分野や、地域づくりや人々の暮らしという地域開発の分野など、学びや暮らしの質を向上させるために「ひとづくり」「まちづくり」に関する取り組みを続けています。子どもから大人、高齢の方まで、性別や国籍、障害など関係なく、誰もが活躍できる社会を目指し、またそれを届けたいと思っています。