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ツコウ卒業生インタビュー~山本日和さん(津和野町役場勤務)

  • 内谷愛
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津和野高校に教育魅力化コーディネーターが配置されてから11年目となる令和6年度。

 

津和野高校で学び、それぞれの道を歩んでいる卒業生にインタビューし、

津和野高校での学びや津和野町での暮らしが「今」の自分にどのようにつながっているのかお話をうかがいました。

 

今回は、津和野町役場に勤務する山本日和(やまもとひより)さんのインタビューを紹介します。

 

 

山本日和さんプロフィール

 

 

津和野町日原出身。

平成29年度に津和野高校を卒業。

高校卒業後、山口大学国際総合科学部へ進学し、在学中にオーストラリアに約1年間留学。

大学卒業後、九州大学地球社会統合科学府にて修士号を取得。

令和6年度より津和野町役場にて町の広報紙「広報つわの」の作成を担当。

 

 

 

この山の向こうには何があるんだろう?

 

津和野町で生まれ育った山本さんは、幼少期から漠然と、外の世界にはもっとおもしろいことがあるはずだという思いがあり、海外への興味がとても強かったそうです。

 

 

山本さん

「中学生の時、山口大学の学生が町営英語塾HAN-KOHで夏休みに講座を開催していて、そこに参加していました。HAN-KOHがあり、馴染みのあった津和野高校に進学しました。

 

高校入学後もHAN-KOHに通うことで、HAN-KOHのスタッフや教育魅力化コーディネーターの力を借りながら、海外とのつながりを深めることができました。例えば、ハワイの高校生や当時ツコウに通っていたドイツからの留学生と交流しました。

 

ツコウには海外への興味を実現する環境がありました。」

 

ドイツからの留学生ネリアさん(写真左)と山本さん(写真右)

 

 

 

「ツコウやHAN-KOHでは、海外とのつながりを深めた他、津和野町内の空き家改修プロジェクトに参加したり、町長へのまちづくりに関する政策提言を友人と実施したりと、地域に根差した活動にも積極的に携わることができました。

 

中学時代の座学に満足していなかったこともあり、ツコウやHAN-KOHでは実践的な活動に力を入れました。」

 

 

山本さんは、高校3年の時に、町内にある森鷗外記念館のパンフレットの英訳にも挑戦しています。英語が好きだった山本さんに、ツコウの先生が声をかけてくれて、英訳に取り組むことになりました。海外の大学生やALTの先生などにも協力してもらい作成しました。

 

〇森鷗外記念館パンフレットの英訳についてはこちら

 

 

山本さんが訳した英語版のパンフレット

 

 

 

また、高校の3年の時には早稲田大学で開催された「全国高校ビブリオバトル2017」にて、優勝、準優勝に次ぐ特別賞を受賞しました。

 

「ビブリオバトルの予選を通過し、全国大会出場のために、人生で初めて東京に行きました。小さい頃からずっと『この山の向こうには何があるんだろう?』と思いながら育ってきたので、ビブリオバトルへの参加も、東京に行きたい!というモチベーションがありました。

当時は、外に出られるチャンスを逃さないよう、常にアンテナを張っていたように思います。」

 

高校3年生の時に「全国高校ビブリオバトル2017」で特別賞を受賞

 

〇ビブリオバトル出場についての記事はこちら

 

 

自身のやりたいことと、できることを考えながら行動につなげていた山本さん。

そして、大学は在学中に海外留学ができる山口大学国際総合科学部に進学しました。

 

 

 

海外留学では、異文化を知ることで自文化を知った

 

大学在学中に、オーストラリアのシドニーに約1年間留学していた山本さん。

 

「生まれて初めて海外に行き、多くの驚きや発見がありました。これまで暮らしていた日本や津和野町の良いところ・他にはないものがよく見えるようになりました。

 

例えば津和野町の自然豊かなところや、人の温かさ、空気のおいしさなど、これまで当たり前に感じていたことが、そうではないと気づきました。」

 

 

留学先のシドニー。海外を知ることで日本や津和野町の魅力に気づいた

 

 

 

またいつか海外に出たいと思う一方、高校卒業後はずっと家族と離れて暮らしていたこともあり津和野町で暮らすことを決め、令和6年度より津和野町役場で働いています。

 

 

 

海外に出て気づいた津和野町の魅力を、地元民の強みを生かして発信

 

現在、津和野町役場で町の広報紙「広報つわの」の企画から取材・編集まで、一人で担当している山本さん。

 

「津和野町に対して、幼少期に感じていた『何も良いところがない』というネガティブな印象がまだ残っていたので、帰ってくるまでは不安もありました。でも、実際に地元に戻り、高津川に架かる橋を歩いた時に空気のおいしさを感じたり、太皷谷稲成神社から見えるすばらしい景色に出会う度に、津和野町の良さを実感します。帰ってきてよかったと思います。

 

そして、一度外に出たからこそ気づく津和野町の魅力を発信できる広報紙作成の仕事は、とても楽しく、これまでの経験を活かすことができています。

 

地元民ならではのネットワークを活かしながら、どうすれば津和野町の魅力を発掘し、伝えられるかを日々考えながら取り組んでいます。」

 

「広報つわの」の取材では地域の様々な方にインタビュー

 

 

 

小さな成功体験の積み重ねが、今の自分につながっている

 

「ツコウやHAN-KOHでいろいろな活動に携わったことで、行動する、やってみるという癖がつき、小さな成功体験を積み重ねたことで、行動することが怖くなくなっていきました。

 

そして、その成功体験があったからこそ、高校卒業後も海外留学や大学院への進学など、自分の興味に向かって積極的に行動できたのだと思います。」

 

太皷谷稲成神社から見た津和野町の景色

 

 

 

中高生へのメッセージ

 

「ツコウやHAN-KOHには、中高生の味方になってくれる大人がたくさんいます。

 

充実した環境があるので、中高生には、ぜひその環境を生かしてほしいと思います。

 

まずは自分のやってみたいことを人に話してみる、言葉にしてみることからはじめてみてください。きっとそこから成長できるのではないかと思います。」

 

 

外の世界を知りたい!という思いをツコウやHAN-KOHで実現し、卒業後は実際にオーストラリアへ留学した山本さん。

 

そこで得た気づきや学びを津和野町での仕事に生かし、今の暮らしも仕事もとても充実していると話してくれる山本さんからは、常に前を向いて行動し、進み続ける強さを感じました。

 

この記事を書いた人
内谷愛
広報
内谷愛
北海道から広島まで、日本各地で過ごした幼少期。民間企業勤務時に海外の文化に接して刺激を受け、約15か国を旅しました。もっと現地の人と関わりたくて、ワーホリでオーストラリアへ行ったり、ボランティアでアフリカへ。そこでの生活を通して、幸せや豊かさ、自分がどう生きたいのかを考えるようになりました。国際理解教育に携わり、団体・高校等でのコーディネーターを経験。キャンプと旅と音楽が好き。広報を通してみなさんとつながれたら嬉しいです。