- 2024/12/02
ツコウ1年生の総合的な探究の時間で、様々な人や体験と出会う講座「ブリコラージュゼミ」の第3回を実施しました!
- 瀬戸里奈
11月5日(火)に、ツコウ1年生の「総合的な探究の時間」にて、今年度3回目となる『ブリコラージュゼミ』を実施しました。
“ブリコラージュ”はフランス語で”日曜大工”という意味で、「今、ここにあるもの」を活用し組み合わせて、高校生に届けるという思いが込められています。
津和野町のヒト・コト・モノとの出会いを通じて、高校生は自分自身がどんなことに興味関心があるのかを探すこと・気づくことを目的としています。
町内の方に講師となっていただき、ご自身の好きなこと、得意なこと、考えていることなどを高校生に伝えていただきます。
〇第1回(6月6日)ブリコラージュゼミの紹介ムービーはこちら
〇第1回(6月6日)ブリコラージュゼミの記事はこちら
〇第2回(7月16日)ブリコラージュゼミの記事はこちら
ツコウの「総合的な探究の時間」T-PLANとは?
津和野高校(ツコウ)では、「やってみたい」を「やってみる」ことを大切にし、「総合的な探究の時間」をT-PLANという名前で一貫したプログラムとして設計・運営しています。
・ツコウの「総合的な探究の時間」の全体像についてはこちら
1年生では、『さがす』をテーマに、「気になる!」「やってみたい!」など、自分の心がときめくものを探していきます。
全7講座から気になるもの・興味のあるものを選んで受講
今回のラインナップは下記の7講座です。
2年生の総合的な探究の時間「ツコウセッション」と同日に実施したこともあり、個人の探究活動に取り組んでいる2年生が、地域の方とともに講師となる初の試みを行なった講座もありました。
高校生は、それぞれ希望の講座を選び、町内各所で受講しました。
1.津和野が大好きな先輩が案内する!津和野魅力探しサイクリングツアー
2.石見神楽を体験してみよう!
3.秀翠園プレゼンツ 五感で学べるお茶の世界
4.森林・林業・木材産業学習講座
5.元声優講師に学ぶコミュニケーション術
6.Googleサイトで自己表現
7.料理を通してマダガスカルの世界を知ろう!
講座の内容と生徒の感想をご紹介します。
1.津和野町が大好きな先輩が案内する!町の魅力探しサイクリングツアー
観光に関する探究活動に取り組んでいる2年生の小俣真央さんが、普段から自身の探究活動にご協力いただいている津和野体験Yu-naさんとともに講師となり、県外生目線の町の推しポイントやディープな津和野町のスポット等を案内しました。
生徒の感想
「津和野町には、観光名所に限らない、まだまだ知らない魅力がたくさんあることがわかった。」
「津和野町の自然や文化が町の人達によって守られているおかげで、今、津和野町の魅力を感じることができていると実感した。自分たちにも津和野町を守ることができるかもしれないと感じた。」
2.石見神楽を体験してみよう!
石見地方を代表する伝統文化である「石見神楽」に関する探究活動に取り組んでいる2年生の藤田迅武さんが、自身が所属する日原社中の代表の方とともに講師となり、石見神楽の中でも有名な演目「大蛇」の体験講座を行いました。
*社中とは:各地域や地区で組織されている石見神楽の団体のこと
生徒の感想
「実際に体験してみると、想像していたよりも体幹が必要でとても大変だったが、すごく楽しかった。夏場の暑い中でも舞っている人はすごいと感じた。」
「周りに聞いたり協力しながらみんなでひとつの技を完成させることに、達成感とやりがいを感じた。大蛇だけでなく、ほかの演目についても調べたり体験してみたいと思った。」
〇2年生の探究活動「ツコウセッション」についてはこちら
3.秀翠園プレゼンツ 五感で学べるお茶の世界
津和野町の特産品であるまめ茶や、日頃からよく飲まれる緑茶をはじめ、様々なお茶の葉を生産販売されている秀翠園さんに講師となっていただきました。お茶の歴史や、生産され商品化されるまでのストーリー、そしてお茶の新たな楽しみ方を、味わいながら学びました。
生徒の感想
「時々急須でお茶を沸かすことがあるが、その茶葉ができるまでの大変さや苦労を学ぶことができた。大自然の中で飲むお茶は最高だった。」
「講師の方が、普段から食事に合わせて様々なお茶を飲むと聞いて驚いた。お茶の奥の深さを知り、講座で作ったまめ茶シロップ以外のアレンジ方法も考えてみたいと思った。」
4.森林・林業・木材産業学習講座
木が生まれて成長し、切り倒されて木材となるまでの仕事の過程を知り、その一部を体験しました。座学や現場見学に加え、チェーンソーなどの機械も実際に使用しながら林業について学びました。
生徒の感想
「チェーンソーの扱いにはコツが必要だと感じ、ハーベスタは操作が難しかったが楽しかった。とても危険な機械や道具があるため、体力だけでなく集中力も必要だと学んだ。」
「木を切るだけではなく、植えて育てて切って出荷するまでが林業だと知った。木を切った後の森の循環や、切った木がどうなっていくかも調べてみたい。」
5.元声優講師に学ぶコミュニケーション術
声優学校で教えていた経験のある講師の方から、簡単な演技ワークを通して、コミュニケーション術を学びました。発声方法や体を使った非言語コミュニケーション、ミニゲームなど、様々な角度からコミュニケーションについて実践的に学びました。
生徒の感想
「ミニお芝居をする中で、どうしたら自分の想像にピッタリとハマる声が出せるかなと考えた結果、同じセリフでも声の要素を変えることで、感じ方が全く異なると気付いた。」
「コミュニケーションにおいて、伝える力と受け取る力が大切だと学んだ。意見を受け取る力の中でも、気持ちを汲み取るスキルの養い方を調べて実践してみたいと思った。」
6.Googleサイトで自己表現
津和野高校では、全校生徒が1人1台、Chrombookを所持しています。この講座では、ツコウのICTスペシャリストである山根先生から、Googleサイトを使用したデジタル表現について、基礎から学びました。
生徒の感想
「自分たちでも意外と簡単にwebサイトを作ることができた。webサイトを作る上で、目的を絞ることや興味を持ってもらえるようにするための難しさを感じた。」
「文字や写真のバランスを工夫することで、伝えたいことを伝えられるwebサイトに近づくと感じた。みんな個性的なwebサイトを作っていたので、今度は協力しながら作ってみたい。」
7.料理を通してマダガスカルの世界を知ろう!
元青年海外協力隊(現JICA海外協力隊)のHAN-KOHスタッフと一緒に、アフリカ南東部に位置する島国、マダガスカルの料理づくりに挑戦しました。普段はあまりチャレンジする機会のない異国の料理を作りながら、食文化や国の違いについて体験的に学びました。
生徒の感想
「日本と同じく米が主食だけど、ターメリックやココナッツを入れていて、日本とは全然違う味付けになっていた。自分は料理が好きだということに気付いた。」
「現地の人たちは生きる力が強く、世界は広いと感じた。他の国についても文化や食の違いを知りたいと思った。」
今年度のブリコラージュゼミは、今回で最終回となりました。
全3回のブリコラージュゼミでの体験を通して、自分の感情が揺さぶられたり、考えを巡らせた瞬間が、一人ひとりにあったようです。
この体験が、日々の学びや探究につながったり、将来の選択肢を広げることにつながったりしていくことを期待しています。
また、おとなの「好き」や「得意」を高校生の学びにつなげる中で、高校生と関わることがおとな自身の学びにもなると考えています。
次年度に向けて、講師となってくださるおとなの方を募集しております。ぜひお声がけください!