- 2026/10/07
インターンシップ活動報告~立教大学4年生 星梢さん




- 内谷愛



8月31日(月)から9月11日(金)までの12日間、立教大学コミュニティ福祉学部福祉学科4年生の星梢さんが、つわの学びみらいのインターンシップに参加してくれました。
星さんの津和野町でのインターンシップ活動報告、ぜひご覧ください。
星さんによるインターンシップ活動報告
みなさん、こんにちは!立教大学コミュニティ福祉学部福祉学科4年の星梢と申します。
この度、大学の授業の一環として、一般財団法人つわの学びみらいにて12日間のインターンシップに参加させていただきました。
現地での活動内容や、津和野町で得た学びについて報告します。
<インターンシップ概要>
実施期間
2026年8月31日(月)〜9月11日(金)
目的と理由
私は卒業後、民間企業への就職を予定していますが、将来は自治体行政を通じて地域課題の解決に携わりたいという思いを持っています。そのため行政が行うまちづくりの実態や、地域の課題解決の方法を学びたいと考え、自治体でのインターンシップを志望しました。
受け入れ先を探す中で、人口減少や高齢化という厳しい状況に向き合いながら「教育魅力化プロジェクト」を軸に子どもたちを支え、まちの活性化を目指す津和野町に強く惹かれました。
「教育魅力化とまちづくりがどのように結びついているのか」を知りたいと考え、今回のインターンシップに臨みました。
活動内容
特に印象に残っている活動を紹介します。
1.津和野高校の授業見学
津和野高校では、首都圏や関西など島根県外からの地域みらい留学生を受け入れており、生徒のうち約30%が県外から進学しています。彼らが学ぶ津和野高校で、データサイエンス実践発表や探究の授業などを見学させていただきました。
中でも印象的だったのは、データサイエンス実践発表の授業です。地元のIT企業と連携した授業で、高校生自身が地域の課題を発見し、ITを活用した解決策を、地域の関係者や町長・町役場の方々を招いて発表するものでした。
そこでは「地元のお店の営業時間が把握しづらい」「夜の観光地としての魅力が知られていない」などの課題を見つけ、コスト計算や出資元の提案まで踏み込んで考えられていました。
さらに、2年生が、自身の取り組む探究テーマを決める場面も見学しましたが、生徒たちが選ぶテーマの幅広さに驚きました。
「寮で学生自治の仕組みを作りたい」
「将来が決まらないから津和野町の大人にインタビューしたい」
「子どもが好きだから子ども向けのイベントをしたい」
など、自分の興味と地域資源を結びつけて深い学びを主体的に選び取っていく生徒の姿に、地域を舞台にした学びの可能性を強く感じました。
県外から入学した高校生に、なぜ津和野高校に入学したのかを尋ねると、多くが偏差値教育や都市部の画一的な進路選択に疑問を持っていたことがわかりました。中には「深みのある人間になりたい」という理由で、津和野高校のプログラムに惹かれて入学したとはっきり言う生徒もいました。
津和野高校のプログラムには、地域から学びを得るだけでなく、自己の興味や「好き」を自由に表現できる環境がありました。
地域の課題に関心を持ち、自分の持つ資源を最大限活用することで、津和野高校の生徒は都会の教育では得られない経験とスキルを身につけることができると感じました。



2.高校生とまちづくりの関係
高校生たちが津和野町を学びの場としている一方で、地域も高校生の力に大いに助けられています。高齢化が進み、祭りなどの地域活動の担い手不足が顕著になった津和野町にとって、高校生の参画によって地域の行事が支えられているという現状がありました。
特に、毎年行われる伝統行事「流鏑馬神事」や、地区で開催されている子ども向けの自然体験キャンプは、高齢化と人手不足が大きな課題となっています。ほかにも放課後子ども教室の運営ボランティアなど、さまざまな場面で一緒に活動してくれる高校生たちは、地域の活動を支えています。
地域の多様な世代が集まる活動に参加する高校生たちは、地域の人材交流に重要な役割を担っていることを実感しました。
津和野町には、Uターン・Iターンで移住してきた方々が数多くいます。都会での仕事を辞めて自然の中での暮らしを選んだ方や、自身の生き方を見つめ直して津和野町への移住を決めた方など、経歴も人生設計も様々でした。
津和野町は、町外から来た人の挑戦や学びを受け入れ、彼らと一緒に発展してきた町です。そのような土台があることで、地域との関わりを求めて主体的に学ぼうとする津和野高校の生徒たちの熱意が受け入れられ、地域に新たな変化を生み出す活動へと発展しているのだと実感しました。教育とまちづくりは双方向に効果を生み出す関係になっていると感じました。
3.「地域拠点ほたる」青木さんのお話と、充実した地域資源
畑迫地区の「地域拠点ほたる」を運営する青木さんにお話を伺う機会をいただきました。青木さんは、「地域の公民館は事業をするために来る場所であって、住民がふらっと立ち寄れる場所ではなかった」とお話しされていました。
「地域拠点ほたる」は地域の方がふらっとお茶できる場所でもあり、毎週イベントも行っており、にぎわいのある地域の居場所です。地理的に町の中心から離れ、近くにスーパーもない地区であるため、ミニコンビニとしての購買コーナーを設置したり、車での移動が難しい高齢者等に、会員制のボランティアタクシー事業も行っており、地域のインフラとしての役割も担っています。
ここでは、「駄弁りに来ると、やりたいことが生まれる」との言葉どおり、集まった人たちで様々な活動が生まれています。実際に、住民のDIYでカラオケボックスを作ったり、地区の広場の排水工事を行うなど、地域住民が自身の仕事や得意分野を活かして協力し合うことで、事業が生み出され、様々な課題が解決していることが印象的でした。
津和野町内の各地には多様なスキルと経験を持つ大人たちがいます。
日原地区の放課後子ども教室「あゆっこワクワク広場」では、地域の「達人」が集まる「ゆうゆうクラブ」のメンバーが子どもたちに体験学習を行っています。地域のシニアや住民がそれぞれの持つ力を持ち寄り、地域資源として町の子どもたちに還元する活動です。津和野町では住民同士の交流を各地で支えている取り組みがあるからこそ、地域の中での課題解決やイベント実施などの活力が生まれているのを感じました。



最も心に残っていること
特に印象に残っているのが、津和野高校の卒業生・原田さんの取り組み事例です。原田さんは、担い手不足で途絶えていた津和野の伝統行事「灯籠流し」を、高校での探究活動を通じて地域の方とともに復活させていました。
原田さんは灯籠流しを行うにあたり、地域の多方面に協力を募りました。地域の方からの和紙の寄付、商店街での募金、地域活動を行う団体への出店依頼に加え、つわの学びみらいのコーディネーターに役場への書類提出を支援してもらうなど、多くの助けを得て実現させました。この活動は高く評価され、原田さんは「全国高校生マイプロジェクトアワード2024」の島根県代表として全国大会に出場しました。彼が卒業した今年も、津和野高校の後輩たちを巻き込みながら、灯籠流しは継続して行われています。
津和野町で生まれ育った彼に、「地域活性化を目指す大人がたくさんいる中で、どんな影響を受けましたか」と尋ねると、「いろいろな人の生き方を知ることで、自分の中の『好き』を見つけることができた」という答えが返ってきました。
UターンやIターン等移住者の受け入れに前向きで、多様な経歴の多様な生き方を許容する津和野町だからこそ、高校生が自分の「好き」を深く探究し、自分の目指す道をのびのびと探すことができるのだと、感銘を受けました。
まとめ
今回のインターンシップを通して、「行政で社会を変える」以外にも、現場で自分の手を動かして活動を形にしていく人たちの魅力も強く感じました。
津和野町で出会った大人たちのように、一つの場所に囚われない生き方も素敵だと思えるようになったことも、自分自身の大きな変化です。現在は大学で地域社会学に関連する授業を新たに履修し、津和野町での取り組みを学問的に深めています。
このような貴重な機会をくださった一般財団法人つわの学びみらいのみなさま、そして温かく迎えてくださった津和野高校の先生方、生徒のみなさま、地域のみなさまに、心から感謝申し上げます。ありがとうございました!



星さん、12日間のインターンシップ、本当にお疲れさまでした。
「教育魅力化とまちづくりがどう結びついているのか」という明確なテーマを持ち、津和野町の子どもたちや地域の方々と真っ直ぐに向き合う姿がとても印象的でした。
星さんの報告からは、高校生が地域の中で主体的に学ぶ様子や、津和野町に息づく多様な大人の生き方を、非常に深い視点で捉えてくださったことが伝わってきます。私たちにとっても、外からの視点で見出された津和野の魅力や価値を改めて気づかせていただく貴重な機会となりました。
卒業後は民間企業へ進まれるとのことですが、いつか行政やまちづくりの分野で地域課題の解決に携わりたいという星さんの夢を、ここ津和野の地から応援しています。
この町での出会いや学びが、これからの星さんの人生の糧になれば嬉しいです。
またいつでも、津和野町へ帰ってきてくださいね!お待ちしています。


