ニュース

news

「まち全体が学びの場」思うは招こう会についてご紹介します

  • 内谷愛
  • 内谷愛

2016年4月に津和野町で発足した「思うは招こう会」。

 

12月7日に実施した、津和野高校1年生の総合的な探究の時間の「トークフォークダンス」でも、2018年から毎年司会を担ってくれており、津和野高校生にとっては地域のお兄さん、お姉さん的な存在のみなさんです。

 

 

 

 

「思うは招こう会」という素敵な会の名前は、「どうせ無理」をなくすために宇宙開発に取り組んでいる植松電機の代表取締役、植松努さんの言葉からいただいてつけたとのこと。

・植松努さんの活動(植松電機webページ)についてはこちら

 

今回は、「思うは招こう会」代表の阿部龍太郎さんに、会発足のきっかけや活動内容、想いなどについてお話を伺ったので紹介します。

 

 

津和野町の子どもたちに植松努さんの講演を聞かせたい!

 

今から約7年前に発足した「思うは招こう会」。

 

代表の阿部さんが、津和野町の隣にある益田市で開催していた植松努さんの講演会に参加した際、

 

「思うは招く。夢があればなんでもできる。」

 

そして、「どうせ無理」

 

「だったらこうしてみたら?」

 

に置きかえ、失敗を恐れずに、自ら挑戦する勇気と自信を持ってもらいたい、というメッセージにとても感銘を受け、津和野町の子どもたちにこのメッセージを伝えたいと強く思ったことがきっかけだそうです。

 

その講演会には阿部さんと同じく津和野町内でお店をされている方や、お茶づくりや農業などの事業をされている方、子どもと関わる仕事をされている方等も参加されていたそうで、その時のメンバーを中心に、

「津和野町の子どもたちに植松さんの講演を聞かせたい!」

 

その想いに賛同し、集まったメンバーで植松努講演会実行委員会を立ち上げ、実現に向けて動き出したのがはじまりとのことです。

 

 

植松努さん(前列左から2人目)と、植松努講演会実行委員会のメンバー

 

 

「思うは招こう会」おとなの挑戦が始まったが。。。

 

津和野町の子どもたちに講演を聞かせたい。

そのためには、学校との調整はもちろん、実現のための資金が必要でした。

 

まちの助成金等を活用しても全然足りず、まちの企業や町民の方から寄付を募ることにしたものの、資金調達は困難を極めたそうです。

 

「まずは信頼してもらえるための土台が必要だと考え、『思うは招こう会』という団体を立ち上げました。その時のメンバーは、講演を一緒に聞いた地元の私たちに加え、地域おこし協力隊として津和野町で活動してくれていた元気の良い若者など総勢11名。

 

各学校との調整は、当時、町の議員でもあり左鐙(さぶみ)という地域で子ども園を運営されている方が担ってくださり、僕たちは広報と資金調達を担当しました。

 

寄付をしていただくために、町内の企業はもちろん、学校近辺の個人宅を中心に1軒1軒訪問しましたが、特に個人宅は難しかったです(苦笑)。

 

それはそうですよね、いきなり僕が訪ねてきて、こういう者です、こういう想いで講演会をしたいと思っているので寄付をお願いします、と言っても、あなた誰?状態で笑。」

 

と阿部さん。

 

 

しかし、講演会までの約半年間、毎週メンバーでミーティングを繰り返し、それぞれの抱える課題をみんなで話し合い、一つ一つ乗り越えていったそうです。

そしてわからないことがあれば知っていそうな人を招くことで、情報収集だけでなく、アイデアが飛び交う場となり、さらにはそれ自体が広報活動にもなったとのことです。

 

様々な人を招いてのミーティングを毎週実施

 

 

阿部さんいわく

「メンバー全員、いろいろなことがわからない状態だったのが良かったのかもしれないですね。同じ目線の若者が集まって話し合うその『時間』がすごく良くて。本当にたくさんの人にお越しいただき、いろいろな話をしました。とにかく毎回むちゃくちゃでおもしろかったです笑。」

 

そして、地道に築いた信頼は、少しずつ成果となって表れ、それが成功体験となり自信につながっていったそうです。

 

気づけば集まった寄付は目標金額を大きく上回り、2017年10月16日に津和野町内の中学生・高校生とその保護者や町民の方等、計約500名を対象に、植松さんの講演会を開催することができました。

 

 

 

 

講演会開催後も「やってみたい!が叶うまち」を目指して活動

 

津和野町をもっともっと「やってみたい!が叶うまち」にしたい!

そのために自分たちには何ができるのか?を、講演会開催後も毎週集まって話し合いを継続したそうです。

 

 

そして、津和野高校生と地域のおとなの人との出会い・交流の場としてピザパーティーを開催したり、2018年から2020年までは毎年夏休みに町内の小学生を対象にしたモデルロケット(ペーパークラフト)のワークショップを実施したり、様々な活動を展開されています。

 

そして冒頭でもご紹介した通り、2018年からは津和野高校1年生の総合的な探究の時間の「トークフォークダンス」でも毎年司会を担っていただいており、話すテーマや進め方等の企画段階から携わっていただいています。

 

阿部さん

「高校生の視野を広げたい、そして参加者全員にとって良い時間にしたいという想いで毎年関わらせてもらっています。地域のおとなと高校生がフラットな関係になる場づくりのサポートができるように意識しています。

 

この出会いが今後、高校生が地域に出るきっかけになるはずだから、そこに向けて僕たちも楽しくやらないといけないと思っています。

 

高校の先生方、コーディネーターのみなさん、そして地域の僕たちとで企画から考えていくスタイルができ始めたのが2年目からで、みんなで同じ思いを持って話し合う時間は、とても楽しく充実しています。当時はトークフォークダンスに向けて、5~6時間は打ち合わせをしていたと思います(笑)。

 

トークフォークダンスの進行中も、現場の雰囲気を体感できるので、このテーマは思ったより盛り上がらなかったな~とか、すごく反応よかったな~とか、その場でフィードバックをもらえるのもとても楽しいです。」

 

2023年のトークフォークダンスで司会をしている高校の先生(写真左)と阿部さん(写真右)

 

 

2024年11月12日(火)植松努さんの講演会開催に向けて動き出し中!

 

毎年トークフォークダンスの司会等の活動は続けているものの、「思うは招こう会」のメンバーを取り巻く環境変化に伴い、ここ数年は月1回オンラインでの情報交換会の実施等しかできなかったそうです。

 

会としての活動が滞り前進できていない状況に課題を感じ、そのことをメンバーに打ち明け話し合った結果が

 

「原点に立ち返って、植松さんの講演会をもう一度開催しよう」。

 

ただ、メンバーはみんな本業の仕事もあるし、家庭環境も7年前の講演会開催時とは異なるため、メンバーの中でもやりたいと手挙げした7名で講演会プロジェクトを進めたり、できる時に参加するなど進め方も柔軟にしているとのことです。

 

「実は昨年の11月からもうこの講演会プロジェクトは始まっているので2年計画です。少しずつ、でも止まるという選択肢はないので、これから資金集めを頑張っていこうと思っています。」と阿部さん。

 

「今後は、今あるビジョンやミッション等も含めて、会のあり方を見直したいと思っています。まちづくり、仕事づくり、教育の3つが重なるところに取り組んでいく中で『やってみたいが叶うまち」の実現に向けて具体的な道筋を描くことで、例え随時参加であってもメンバーみんなが同じ方向を向いて活動できるようにしていきたいと考えています。」

 

 

 

阿部さんは、私たちつわの学びみらいの事務所にも良く訪れてくれていて、情報交換はもちろん、相談事なども気軽にできる協働者の一人です。

 

来年の植松努さん講演会の実現はもちろん、「ひとづくりからまちづくり」に向けて私たちもつわの学びみらいとしてできることを「思うは招こう会」のみなさんとともにこれからも取り組んでいきたいと思います。

この記事を書いた人
内谷愛
広報
内谷愛
北海道から広島まで、日本各地で過ごした幼少期。民間企業勤務時に海外の文化に接して刺激を受け、約15か国を旅しました。もっと現地の人と関わりたくて、ワーホリでオーストラリアへ行ったり、ボランティアでアフリカへ。そこでの生活を通して、幸せや豊かさ、自分がどう生きたいのかを考えるようになりました。国際理解教育に携わり、団体・高校等でのコーディネーターを経験。キャンプと旅と音楽が好き。広報を通してみなさんとつながれたら嬉しいです。