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「まち全体が学びの場」つわの@HOMEプロジェクト 放課後さんまのご紹介

  • 内谷愛
  • 内谷愛

津和野にいると、小中学生から「今日さんまの日?」という会話を聞くことがあります。

「さんま」と聞くと、秋が旬の魚のさんま(秋刀魚)がついつい頭に浮かんできますが(私だけでしょうか…)、津和野の「さんま」はつわの@HOMEプロジェクトの名称です。

 

このプロジェクトの発起人でもあり、現在津和野公民館主事でもある中村和恵さんに放課後さんまについてお話を伺いましたので、ご紹介します。

 

 

 

つわの@HOMEプロジェクト 放課後さんま はじまりのきっかけは?

 

津和野地域では、学童に行っていない小学生の子どもたちが、家の中などインドアで過ごすことが多く、子どもの声が全然聞こえないよね、さみしいね、と地域の人と話したのがきっかけではじめたプロジェクトです。

 

地域の中に、小学生が遊べるような場所だったり、居場所だったりをつくりたい、そうすればもっと地域に子どもの声が増え、活気もうまれるのでは?と思い、小学生の居場所づくりを目的に2020年7月にスタートし、今年で4年目になります。

 

家庭的なほんわかした家のような場所を、放課後につくりたい、という想いから

「つわの@HOMEプロジェクト」

 

時間 空間 仲間 という3つの「間(ま)」を大事にしたい、という想いから

「さんま」

 

というプロジェクト名にしました。

 

 

さんまの実施メンバーや対象、活動日を教えてください

 

津和野小学生(1~6年生)を対象に、月曜日の放課後(15:00~17:00)に実施しています。津和野中学生で、小学生と関わりたい、小学生と遊びたいという子や、イベントなどを企画してやってみたい、という中学生が関わり中心となって運営してくれています。

 

参加は毎回任意ですが、小学生が毎回10人程度参加し、運営側の中学生が5~6人、私たちのような見守りのおとなが2~3人いる、というような感じです。

 

場所は、津和野小学校の近くにあるまちのオフィスQ+の1階を借りて実施しています。

 

 

 

さんまの活動内容は?

 

普段の活動は、中学生が何をしたいかを考え、話し合って決めています。例えば、小学生が来たらまず宿題をして(必要に応じて中学生がサポート)、その後は外で遊んだり、お菓子づくりをしたり、川遊びをしたり、サンマを焼いたり、、などさまざまです。

 

夏休みなどの長期休暇の時は、私たちおとなのメンバーがやりたいことをだしあって企画を考えています。

例えば今年の夏休みは、「食と学び」をテーマに低学年、中学年、高学年にわかれて各1日ずつ計3日間活動しました。

 

 

低学年は、名賀(なよし)の川で竹を割ってそうめん流しをしたり、河川プールで泳いだり水遊びをしました。

津和野高校のグローカル・ラボ部のメンバーが一緒に活動してくれ、子どもたちはもちろん、高校生のみんなも楽しんでいて、小学生と高校生が交流するとても良い時間でした。

 

  

 

 

中学年は、隣の益田市にある小野公民館へ行き、戸田小学生と交流をしました。

小浜漁港で「鱚・小鯵」釣りをし、その後は公民館で鱗の取り方などを教えてもらいました。お昼ご飯は焼き魚とそうめん流し。午後は益田糸操り人形の公演を観て、舞台装置や道具に触れさせてもらったりと、貴重な経験をさせていただきました。

 

 

  

 

 

 

高学年は、益田市匹見町を訪れて匹見ツアーを実施。匹見エリアの3つの公民館や地域の方、NPO法人アンダンテ21のみなさんにサポートしていただき、川遊びを満喫しました。

鮎の掴み取り体験や沢登り体験をし、お昼ご飯は夏野菜たっぷりカレーライスと鮎の串焼きを食べ、匹見の自然を満喫させてもらいました。

 

 

  

 

 

 

 

さんまの活動を通して感じる子どもたちの成長など教えてください

 

普段の活動は、ほとんど中学生が企画・運営していることもあり、中学生にとって大きなチャレンジの場、成長の場になっていると思います。例えば、人前で話すのが苦手な子が話せるようになったり、事前の打ち合わせをしていなくても、自分たちの活動について人前で話している姿を見た時などは、それだけ活動に真剣に取り組んでいるんだなと感じました。

 

小学生からは、さんまで宿題をするのを楽しみにしてくれていたり、保護者の方から「家では宿題しないけど、さんまに行けば宿題するんですよ」と言われることもあります。

 

また、さんまに参加していた小学生が中学生になって、企画・運営する側にまわって小学生をサポートしていたりもします。多様な人と関わるという経験が、関わる人みんなにとっての学び・刺激になっていると思います。

 

 

 

課題や、これからやってみたいことなどあれば教えてください

 

イベントの時は、ご飯を作ってもらうなど、地域の方にたくさん協力していただいているのですが、普段の活動(月曜日の放課後)でも、子どもたちの見守りとして地域の方にもっと関わってもらえると嬉しいです。

 

また、木部小学校と津和野小学校との交流はあるけれど、日原小学校や青原小学校との交流がほとんどないので、今後交流の機会を持てればいいなと思っています。

 

夏休みのイベント等のように、津和野以外の人や地域との交流は、周りの良さを知るとともに、津和野の良さを外に出ることで感じてもらえる機会になると思うので、今後も継続していきたいです。

 

つわの@HOMEプロジェクト 放課後さんまのFacebokページはこちら

 

この記事を書いた人
内谷愛
広報
内谷愛
北海道から広島まで、日本各地で過ごした幼少期。民間企業勤務時に海外の文化に接して刺激を受け、約15か国を旅しました。もっと現地の人と関わりたくて、ワーホリでオーストラリアへ行ったり、ボランティアでアフリカへ。そこでの生活を通して、幸せや豊かさ、自分がどう生きたいのかを考えるようになりました。国際理解教育に携わり、団体・高校等でのコーディネーターを経験。キャンプと旅と音楽が好き。広報を通してみなさんとつながれたら嬉しいです。