- 2026/05/30
「問い」で変わる探究学習~津和野高校で教員研修を実施しました




- みらい共創センターHAN-KOH



5月13日(水)に、津和野高校にて、教員研修「『問い』で変わる探究学習」を実施しました。講師は、津和野高校特任コーディネーターの山本竜也さんです。
研修のねらい
1.津和野高校の探究学習の全体像を改めて共有すること
2.探究学習をより深めるための「問い」のあり方と、それを支える環境づくりを考えること
はじめに、探究学習の現状について概観しました。ある調査によると、高校教員・生徒の双方が、探究における「課題の設定(問い作り)」に最も不安を感じているという結果が出ています。今回の研修で「問い」に焦点を当てて考えることには、こうした背景と大きな意義があります。
ジブリ作品を題材に探究の形を考える
次に、さまざまなジブリ作品を題材に、探究の多様なあり方が紹介されました。今回提示されたのは、次の3つのアプローチです。
「ナウシカ型」:研究を重ねながら、地域や社会の課題解決に向かう形
「パズー型」:自身の「好き」や純粋な動機から行動を起こす形
「月島雫型」:自分自身を深く見つめ、表現活動へとつなげる形
探究のスタートラインは決して一つではなく、「生徒一人ひとりに合った入り口があってよい」という温かいメッセージが伝えられました。



「ジャガイモ」を使った問い作りワークを実践
続いて行われたのは、ジャガイモで問いを作るワークです。2つのポテト商品の写真を見比べながらみんなで問いを出し合い、探究のプロセスを楽しく体験しました。
ワークの締めくくりに、
「問いは一人でひねり出すものではなく、対話から生まれる『共創的なプロセス』なのではないか」
「身近な素朴な問いからスタートしていい」
という言葉が共有されると、会場の先生方からも「なるほど」と大きくうなずく声が上がっていました。



強みを活かしながら、これからの関わりを考える
後半は、「問い」が生まれやすい仕掛けや環境、そして具体的な関わり方についてグループワークを行いました。先生方は7つのグループに分かれ、Googleスプレッドシートにアイデアを書き出していきました。
その中で、津和野高校に「すでにある強み」として、多くのグループから次のような要素が挙げられました。
・地域に出る機会や、関わる大人の多さ
・「みらい共創センターHAN-KOH」の存在
・教員と生徒の距離の近さ
・挑戦が許容される「懐の広さ(風土)」
一方で、これから「新しくトライしたいこと」としては、地域系以外の理系や文学などへ探究の幅を広げることや、過去の事例をデータベース化すること、さらに「失敗の価値」に気づける場づくりやAI・プロンプトの活用など、未来に向けた前向きなアイデアが次々と飛び出していました。
また、生徒への具体的な声かけや関わり方についても、実践的なアイデアが多数共有されました。
〇 探究を促す声かけ・関わりの視点
・言葉選び: 「え?」ではなくまずは「いいね!」から始める。「何にこだわりたい?」「一緒に調べようか」と寄り添う言葉が大切。
・関わる視点: 答えをすぐに与えず小刻みに問いかける。時にはあえてクリティカルな視点も示す。提案は複数出して生徒自身に選んでもらう。
「否定されない環境」があるからこそ、安心して問いを生み出していけるという大切さを、先生方が実感を伴って共有し合う時間となりました。
先生方からは、
「問いをベースに探究を見直すことができると思う」
「やわらかく生徒に向き合って、問い作りをサポートするきっかけにしたい」
という感想が寄せられました。
講師の山本さんは、「今回は新しい仕立てで研修を作ったが、すでに探究の土壌がある中で先生方が真摯に向き合ってくださり、大変実りあるものになった」と振り返っていました。
今回の研修では、探究学習における「問い」に焦点を当てました。生徒の問いを促していく方法に、唯一の「正解」はありません。目の前の生徒にとっての「よい関わり」や「よい声かけ」を、これからも先生方とともに探究し続けていきます。


